ハナシガイ,シロウリガイ,シンカイヒバリガイ類の貝殻微細構造と炭酸カルシウムの結晶形
大越健嗣(石巻専修大理工)゜・大越和加(東北大院農)・藤倉克則・藤原義弘(海洋科学技術センター)

目的:日本海溝,沖縄トラフから採集した深海性二枚貝の貝殻形態,微細構造を観察し,その成長特性を検討することにより生産に関する基礎的知見を得ることを目的とした。
方法:2002年5月から7月になつしま/しんかい2000およびかいれい/かいこうシステムにより深海性二枚貝の採集を行った。貝殻の形態とSEMによる微細構造の観察を行ない一部はX線回折を行った。また,深海底での二枚貝類の生息状況・分布を観察した。
結果:鳩間海丘ではヘイトウシンカイヒバリガイが優占していた。黒島海丘では,少なくとも2種類の未記載種と考えられるシンカイヒバリガイ類(Long typeとShort type)が採集された。貝殻は3種とも外層は繊維稜柱構造,内層は真珠構造であった。ナラクハナシガイ,ナギナタシロウリガイは均質構造または粒状構造で構成され外層と内層の明瞭な区別は困難であった。

Kenji Okoshi, Waka Sato-Okoshi, Katsunori Fujikura and Yoshihiro Fujiwara: Shell microstructure and growth performance of the deep-sea bivalves.