ストロンチウムで二枚貝の微小な成長を測る
藤倉克則(海洋科学技術センター)゜・大越健嗣(石巻専修大・理工)・長沼毅(広島大・生物圏)

これまで二枚貝の成長量は、貝殻にペイントする、傷をつける、蛍光色素をとりこませるなどのマーキングを施す標識放流-再捕法で主に求められてきた。しかし、これらの方法では1μmレベルの微小な成長量は検出できなかった。そのため成長速度が遅いと予測される種(例えば高緯度域や深海域に分布する種)・微小個体・短期間実験では、微量な貝殻の増加しか期待できず、成長量の検出にはこれらの手法では効果的ではないと予測される。そこで本研究では、二枚貝の微量な成長量を測定するために、ストロンチウムを貝殻に取り込ませ成長線にマーキングし、走査型電子顕微鏡で検鏡する「ストロンチウムマーキング法」 をアサリRuditapes philippinarumを用いて試みた。その結果、1μmオーダーの成長量を検出でき、従来の手法に比べ二枚貝の微量な成長量を検出するのに有益な手法と思われたので報告する。

K. Fujikura, K. Okoshi, T. Naganuma: Use of strontium as a growth marker for estimation of microscopic growth rate in a bivalve.