宮古島におけるウニヒザラガイAcanthopleura spinosaの分布
佐々木美穂・浜口昌巳゜(瀬戸内海水研)

沖縄県宮古島と橋で繋がれた池間島、来間島でウニヒザラガイAcanthopleura spinosaの分布状況を調査した。調査は2002年11月4-6日と11月28日〜12月2日にかけて行った。ウニヒザラガイの分布調査は宮古島、池間島、来間島内21ヶ所の地点でYoshioka and Nakajima(1996)方法で行った。ただし、ウニヒザラガイは岩の穴や隙間に入り込んでいるので一ヶ所あたりの調査時間は15分間とした。昼間に棲息が確認できなかった地点については夜間に再び調査し、棲息していないことを再確認した。調査の結果、ウニヒザラガイは宮古島では平良市から北の西側海岸や池間島に分布しており、それ以外の場所では棲息は確認できなかった。ウニヒザラガイは潮間帯上部に位置する琉球石灰岩の穴や隙間に生息しており、夜間は穴から出る個体が多かった。通常、夜間の方が発見率は高いが、昼間でも丹念に観察すると肉帯部の棘が確認でき、昼と夜の発見率はさほど変化はなかった。しかし、今回の調査で確認されたウニヒザラガイは50個体に満たず、宮古島においては希少種であるといえる。したがって、今後むやみな採取は避けると共に、レッドデ−タブックに記載するなど早急な保護対策が必要である。

Miho SASAKI and Masami HAMAGUCHI: Distribution of Acanthopleura spinosa (Polyplacophora Chitonidae) in Miyako Islands, Okinawa.