Noetia ponderosa(二枚貝綱:翼形亜綱)の"多靱帯"について
吉田恭子(九州大学理学府)°・松隈明彦(九州大学総合研究博物館)

 Noetiaは"多靱帯"型の靱帯を持つが、ArcaGlycymerisで見られる重複靱帯に近いと考えられている。同様の靱帯を持つInoceramidaeの分類上の位置を検討するためNoetiaの靱帯の詳細な観察を行った。Noetia ponderosaの靱帯は、殻頂下で三角形をした靱帯面の繊維状靱帯中に垂直な層状靱帯が多数挿入されたものである。Noetia ponderosaの靱帯を薄片にし、偏光顕微鏡下およびEPMAで観察した結果、それぞれの層状靱帯が連なった一連のものでありること、繊維状靱帯には硫黄を多量に含む部分があることがわかった。またNoetia ponderosaの層状靱帯は靱帯面の前方のみに存在するものと前後両方に存在するものとあるが、それぞれの場合で層状靱帯の数と靱帯面の長さの関係は同じであることがわかった。

Yoshida, K. & Matsukuma, A. : So-called multivincular ligament of Noetia ponderosa (Bivalvia: Pteriomorphia).